温泉郷ONSENKYO

中部の温泉地

温泉郷に関する読み物 — 名湯・地域の温泉文化

2026年9月6日読了 6分
#温泉郷
温泉郷ONSENKYO

中部の温泉地(岐阜・長野)

  • 下呂温泉(岐阜):鎌倉時代に山頂近くで湧いていた源泉が突然涸れ、白鷺に導かれた僧が飛騨川の河原に湧く湯を見つけたという「白鷺伝説」を持つ。室町時代の禅僧・万里集九や江戸の儒学者・林羅山が、草津・有馬とともに「三名泉」に数えたことが日本三名泉の由来。無色透明で肌触りが非常になめらかなアルカリ性単純温泉で、「美人の湯」とも呼ばれる。

  • 奥飛騨温泉郷(岐阜):北アルプス西麓に点在する平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高の5温泉地の総称。最も歴史が古い平湯温泉には、武田軍の兵が白猿に導かれて湯を見つけたという「白猿伝説」が伝わる。福地温泉は村上天皇の来訪伝説から「天皇泉」とも呼ばれる。約170カ所もの露天風呂があり、泉質は炭酸水素塩泉・硫黄泉など地区ごとに異なる。

  • 野沢温泉(長野):日本で唯一「温泉」を村名に持つ村。江戸時代から「湯仲間」という制度のもと、13の共同浴場「外湯」が村民の共有財産として大切に守られてきた。毎分約500Lが湧く共同源泉「麻釜(おがま)」は野菜の湯がきなど生活の場としても使われ、外湯ごとに単純硫黄泉から含芒硝-石膏・硫黄泉まで泉質が微妙に異なる。

  • 白骨温泉(長野):鎌倉時代から知られ、戦国時代には武田信玄も療養に使ったと伝わる古湯。「三日入れば三年風邪をひかない」という言い伝えで知られる。湧出直後は無色透明だが、含まれる硫化水素が空気に触れて硫黄粒子が析出し、時間とともに乳白色に変化するのが特徴。標高1400mの山岳温泉で、泉質は含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩温泉。

  • 渋温泉(長野):奈良時代に僧・行基が発見したと伝わり、戦国期には武田信玄の「隠し湯」として傷病兵を癒やしたという伝説も残る。宿泊客が「巡浴の鍵」を借りて回る9つの共同浴場「九湯めぐり」が名物で、同じ系統の泉質でも源泉ごとに鉄分の濃さや湯の花の量が異なる。近くの地獄谷野猿公苑では温泉に入るニホンザルが見られる。

  • 湯田中温泉(長野):飛鳥時代の7世紀、僧・智由が発見し「養遐齢(長命長寿)」と名付けたと伝わる、1350年以上の歴史を持つ湯田中渋温泉郷の玄関口。志賀高原の入口に位置し、多くの源泉を持つことから泉質のバリエーションが豊富で、塩化物泉・硫酸塩泉を中心に乳白色の硫黄泉が湧く宿もある。

マニアックな豆知識(野沢・渋)

野沢温泉 — 13外湯の仕組み

村名に「温泉」を冠する全国唯一の村。13の外湯は江戸時代からの湯仲間制度で維持され、自然湧出・源泉掛け流し(日本の利用源泉の約7割が動力揚湯であるのに対し、野沢外湯は自然湧出型)。

外湯通称・特徴源泉
大湯村のシンボル・江戸期湯屋建築大湯
真湯「五色の湯」・湯の花が多い真湯
十王堂の湯1F女・2F男の二階建て麻釜・湯ノ宮
中尾の湯外湯最大の木造麻釜
熊の手洗湯ぬるめで入りやすい麻釜・熊の手洗

麻釜(おがま) — 約90℃の共同源泉。湯がき調理や洗濯湯にも使われ、複数外湯の引湯源。2024年10月に「ふるさとの湯」が14番目の外湯としてオープン(有料700円)。

渋温泉 — 九湯めぐり

9つの外湯は宿泊者専用鍵(6:00〜22:00・無料)。日帰りは九番湯 渋大湯のみ(500円・旅館組合事務所で鍵受取)。結願は渋高薬師への参拝。各湯は同一系統ながら鉄分濃度・湯の花量が異なる。

関連ページ

日本の5大名湯・石川県の加賀温泉郷・静岡県の修善寺温泉は中部の温泉地2(石川・静岡)で紹介しています。

出典

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