泉質SENSITSU
mg/kg・mval/kg・mval%の見方
泉質に関する読み物 — 成分・泉質名・分析表の読み方
2026年9月6日読了 6分
#泉質
泉質/SENSITSU
mg/kg・mval/kg・mval%の見方
温泉分析書や Ynosis の成分表では、同じイオン濃度を 3つの表記(単位) で読み解くことができます。
施設詳細で源泉データを展開すると、mg/kg | mval/kg | mval% の切り替えタブが表示されます。Ynosis がデータベースに保持しているのは分析書どおりの mg/kg のみであり、mval/kg と mval% は表示のたびにリアルタイム計算しています。
3つの表記の意味
1. mg/kg(ミリグラム/キログラム)
1kg のお湯に何 mg の成分が溶けているかを示す、分析書で最も一般的な単位です。
- 温泉分析書に書かれている数値そのもの
- 「ナトリウム 800 mg/kg」のように、物質の質量(重さ)としての多さをそのまま比較できる
- 溶存物質総量や、メタケイ酸・遊離 CO₂ などの遊離成分(非電離成分)もこの単位で表される
2. mval/kg(ミリ当量/キログラム:ミリバル)
イオンの**価数(電荷の大きさ)と式量(原子量・分子量)**を考慮した「化学的な反応能力の量」です。
- 2価のイオン(Ca²⁺、Mg²⁺、SO₄²⁻ など)は、同じ mg/kg であっても1価の Na⁺ より mval/kg の値が大きくなりやすい
- 陽イオン同士・陰イオン同士を化学的に公平な割合で比較するときに使う(泉質名の骨格を決める基礎となる考え方)
3. mval%(ミリ当量パーセント)
陽イオングループ、または陰イオングループのなかで、そのイオンが占める構成比(%) です。
- 陽イオン側だけで合計 100%、陰イオン側だけで合計 100% になる(両者を足しても 100% にはならない)
- 「どのイオンがお湯の主役(支配的成分) か」を見る指標(例:陽イオンで Na⁺ が 70% ➔ ナトリウム系の湯)
- 泉質分類で「主成分イオン」を判定する際の基準として使われる
表記によって変わる「強さ・多さ」の意味
目的に応じて表示単位を切り替えることで、温泉の性格がより鮮明に見えてきます。
| 知りたいこと | 見る表記 | 補足 |
|---|---|---|
| 分析書どおりの含有量 | mg/kg | 総量・法定基準・「○○ mg 以上」の目安と比較するとき |
| 化学的な寄与・結合力 | mval/kg | 価数の違いを考慮して比較するとき(mg だけでは見落としやすい) |
| 陽イオン/陰イオンの主役 | mval% | 「ナトリウム-塩化物泉」の各成分がどれくらい支配的か |
| お湯全体の「濃さ・固形分」 | 溶存物質総量(mg/kg) | イオン表とは別の指標。単純温泉かどうかの線引き(1,000 mg/kg) |
単位を切り替えると見えてくる面白い現象
mval に換算できない成分
遊離成分(遊離二酸化炭素、遊離硫化水素、ラドン、メタケイ酸・メタホウ酸などの非電離成分)は電荷を持たないため、イオン当量の計算対象外です。硫酸 (H₂SO₄)、リン酸 (H₃PO₄)、過マンガン酸カリウム消費量、ヒ素・水銀などの微量元素も同様です。
Ynosis では mval/kg・mval% 表示時にこれらの項目は 「—」 となり、mg/kg 表示時のみ有効な数値として扱われます。
Ynosis での使い方(まとめ)
- 施設詳細ページ ➔ 「源泉(成分表)」 を展開
- 成分一覧右上の
mg/kg|mval/kg|mval%タブを切り替え - 陽イオン・陰イオンの各グループ末尾に、合計 mval/kg または 構成比(合計 100%)が表示される
泉質マップ(PCA)の内部解析でも、成分の特性に応じて mg/kg と mval% を最適に使い分けています。表示切り替えを活用して、同じ源泉データを様々な角度から読み解いてみてください。
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