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温泉の色はなぜ変わる?

泉質に関する読み物 — 成分・泉質名・分析表の読み方

2026年9月6日読了 5分
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温泉の色はなぜ変わる?成分と時間が織りなすカラーパレット

温泉の色は、湧き出した時は透明でも、空気に触れたり時間が経つことで魔法のように変化します。成分と自然の条件が重なって生まれる、代表的な色とその理由をご紹介します。

1. 鉄分が描くグラデーション(赤・黄土色・鶯色)

  • 赤濁り(例:遠賀川温泉開門温泉

    • 理由: 温泉に溶けている鉄分が、空気に触れて「サビる(酸化する)」ことで赤褐色になります。源泉から注がれるお湯の量(循環量)が少ないほど、じっくり時間が経って色が濃く発色します。
  • 黄土色濁り(例:筌の口温泉真玉温泉

    • 理由: 鉄のサビ色に加えて、カルシウムやマグネシウムなどの温泉成分(炭酸水素塩など)が固まって混ざることで、赤ではなく黄土色になります。
  • 笹濁り・鶯色(例:長湯温泉、鹿沢温泉

    • 理由: 鉄分が完全に赤くサビきってしまう前の「酸化の途中段階」で、炭酸成分などと絶妙なバランスを保っている時にだけ現れる貴重な色です。

2. 硫黄と光のイリュージョン(白濁・緑・灰色)

  • 白濁(例:一般的な硫黄泉)

    • 理由: 透明な硫化水素ガスがお湯の中で空気に触れると、固体の「硫黄の微粒子(コロイド)」に変化します。この微粒子が光を乱反射するため、牛乳と同じ原理で真っ白に見えます。
  • 緑白濁(例:野沢温泉真湯

    • 理由: 硫黄の微粒子(白濁)に加えて、お湯に溶け込んでいる別の硫黄成分が特定の光を吸収するため、ただの白ではなく美しいエメラルドや緑色を帯びます。
  • 灰色(例:鉱泥温泉

    • 理由: 硫黄の白濁に、真っ黒な硫化鉄や、泥(粘土鉱物)が混ざり合うことで、絵の具を混ぜたようにグレーになります。

3. シリカ(保湿成分)が生み出す神秘の青

  • 水色透明(例:壁湯温泉湯川内温泉かじか荘

    • 理由: 足元湧出など、お湯が極めて新鮮で不純物がない時、水そのものや生まれたての極小粒子が「青い光だけを散乱」させるため、うっすら青く見えます(空が青いのと同じ原理です)。
  • ミルキーブルー・コバルトブルー(例:豊礼の湯いちのいで会館

    • 理由: 「メタケイ酸」という保湿成分がたっぷり溶けた高温のお湯が冷めると、温泉の中で天然のガラス微粒子が育ちます。この粒が特定の大きさに成長した時だけ、光を青く反射して息を呑むようなブルーになります。

4. 大地の記憶・その他の色(黒・茶・黄)

  • 黒・透明茶色(例:蒲田温泉東北温泉

    • 理由: 太古の植物や海藻が分解されたオーガニック成分(フミン酸など)の色です。「天然のハーブティー」のようなもので、色が濃くても成分の刺激は少なく、肌に優しいのが特徴です。
  • 黄透明(例:塚原温泉 火口乃泉玉川温泉

    • 理由: 酸性が非常に強い温泉に含まれる鉄分や、うがい薬でおなじみの「ヨウ素」が溶け込んでいると黄色っぽくなります。薄いモール泉もこの色になります。
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