温泉成分表
泉質に関する読み物 — 成分・泉質名・分析表の読み方
単純温泉 (Simple Hot Spring)
説明
単純温泉は、温泉水1kg中の溶存物質(ガス性を除く)が1,000mg未満で、湧き出し温度が25℃以上のものです。クセが少なく刺激が弱いので、肌ざわりがやわらかく感じられます。例えば岐阜県・下呂温泉や長野県・鹿教湯温泉などが代表的です。やさしい温かさで気持ちが落ち着き、自律神経(体の調子を整える仕組み)を安定させる効果が期待されます。一般に病気の治療というよりは、健康増進やストレス解消を目的に利用されます。
代表的な温泉地例:下呂温泉(岐阜)、鹿教湯温泉(長野)など。
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塩化物泉 (Chloride Spring)
説明
塩化物泉は、温泉水1kg中の溶存物質が1,000mg以上で、陰イオン(負イオン)の主成分が塩化物イオン(Cl⁻)のものです。陽イオンによりナトリウム-塩化物泉、カルシウム-塩化物泉などに分類されます。塩分を多く含むため飲むとしょっぱく、湯に入ると体がポカポカ暖まります。熱海温泉(静岡)や片山津温泉(石川)などが代表例です。保温効果が高く、冷え性や末梢循環障害(手足の血行障害)の改善に向くとされます。
代表的な温泉地例:熱海温泉(静岡)、片山津温泉(石川)など。
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炭酸水素塩泉 (Bicarbonate Spring)
説明
炭酸水素塩泉は、温泉水1kg中の溶存物質が1,000mg以上で、陰イオンが炭酸水素イオン(HCO₃⁻)のものです。ナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹泉)やカルシウム-炭酸水素塩泉などに分類されます。浴槽に入ると石灰成分が沈殿して析出物(析出物)ができることがあります。和歌山・川湯温泉や長野・小谷温泉が例です。ぬるめの湯でも温まりやすく、肌がすべすべになるなど美肌効果がよく言われます。末梢循環障害や冷え性の改善に適し、飲用では胃腸病(胃潰瘍、糖尿病性高尿酸血症)に用いられます。
代表的な温泉地例:川湯温泉(和歌山)、小谷温泉(長野)など。
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硫酸塩泉 (Sulfate Spring)
説明
硫酸塩泉は、温泉水1kg中の溶存物質が1,000mg以上で、陰イオンが硫酸イオン(SO₄²⁻)のものです。主にナトリウム-硫酸塩泉やカルシウム-硫酸塩泉などに分類されます。群馬・法師温泉や静岡・天城湯ヶ島温泉などが例です。苦味や強い味を感じることがあります。末梢循環障害や皮膚乾燥症の緩和に効き目があるとされ、飲用では胆汁の分泌促進・便秘改善によいとされます。
代表的な温泉地例:法師温泉(群馬)、天城湯ヶ島温泉(静岡)など。
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二酸化炭素泉 (Carbon Dioxide Spring)
説明
二酸化炭素泉は、温泉水1kg中に遊離炭酸(CO₂)が1,000mg以上含まれているものです。入浴すると皮膚に炭酸ガスの細かい泡がつき、体がぬるめの湯でも温かく感じられ、爽快感があります。飲用では炭酸水のような爽やかさを味わえます。有名温泉地は大分・長湯温泉や山形・肘折温泉郷の黄金温泉などです。体の血行促進作用が高く、冷え性や末梢循環障害の改善に適しています。
代表的な温泉地例:長湯温泉(大分)、黄金温泉(山形・肘折)など。
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含鉄泉 (Iron-containing Spring)
説明
含鉄泉は、温泉水1kg中に鉄イオン(Fe²⁺またはFe³⁺)が20mg以上含まれるものです。湧出直後は無色ですが、空気に触れて鉄分が酸化するため、茶褐色(赤みがかった茶色)に変わる特徴があります。有馬温泉(兵庫県)などが代表的です。鉄分の含有により、入浴で血液量が増えたように温かく感じたり、飲用で貧血改善効果が期待されることがあります。
代表的な温泉地例:有馬温泉(兵庫県)など。
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酸性泉 (Acidic Spring)
説明
酸性泉は、温泉水1kg中に水素イオン(H⁺)が1mg以上含まれているものです。湯口で舐めると酸っぱい味がし、硫黄臭を伴うものもあります。日本では秋田・玉川温泉や岩手・須川温泉などが酸性泉として有名です。殺菌効果が強く、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬などの皮膚疾患のケアに用いられることがあります。
代表的な温泉地例:玉川温泉(秋田)、須川温泉(岩手)など。
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含よう素泉 (Iodine-containing Spring)
説明
含よう素泉は、温泉水1kg中にヨウ化物イオン(I⁻)が10mg以上含まれているものです。非火山性の温泉に多く、時間がたつと水が黄色く変色する特徴があります。秋田・強首温泉や東京・前野原温泉などが例です。胃腸への刺激作用があり、高コレステロール血症への飲用療法に用いられることがあります。
代表的な温泉地例:強首温泉(秋田)、前野原温泉(東京)など。
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硫黄泉 (Sulfur Spring)
説明
硫黄泉は、温泉水1kg中に総硫黄(S)が2mg以上含まれているものです。硫黄泉には「硫黄型」と「硫化水素型」があり、前者は硫黄の析出物(白い硫黄分)が特徴で、後者は黄卵のような硫化水素臭が特徴です。栃木・日光湯元温泉や神奈川・箱根の小涌谷温泉などが代表的です。硫黄のにおいが苦手な人もいますが、肌がすべすべになると言われ、アトピー性皮膚炎などの治療効果がよく宣伝されます。
代表的な温泉地例:日光湯元温泉(栃木)、小涌谷温泉(神奈川)など。
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放射能泉 (Radioactive/Radon Spring)
説明
放射能泉は、温泉水1kg中にラドンが30×10⁻¹⁰キュリー以上(8.25マッヘ単位以上)含まれるものです。ラドンはごく微量の放射性ガスで、三朝温泉(鳥取)や増富温泉(山梨)などが有名です。放射線と聞くと心配されますが、温泉中の放射線量はレントゲンなどよりずっと少なく、かえって免疫力・代謝を高める作用があると考えられています。リウマチや痛風、関節痛などの緩和に用いられます。
代表的な温泉地例:三朝温泉(鳥取)、増富温泉(山梨)など。
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その他の成分
メタケイ酸
温泉街でよく耳にする「美肌の湯」。実はこれ、ただお肌に良いだけでなく、科学的な理由があるんです。なかでも注目したいのが「メタケイ酸」という成分です。メタケイ酸は、火山の熱などによって温泉にじっくり溶け込んだ天然のミネラル。お肌の表面にある角質層にすーっと浸透して、水分を閉じ込めるバリア機能を整えてくれます。さらに、お肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を促して、コラーゲンをつくるお手伝いまでしてくれる、まさに天然の化粧水のような成分です。
一般的に、温泉1kgあたりにメタケイ酸が50mg以上含まれていると「お肌のうるおいを保つ温泉」と言われ、100mgを超えると「抜群の保湿力となめらかな肌触りをもたらす、極上の美肌の湯」として高く評価されます。メタケイ酸がたっぷり含まれた温泉は、お湯の肌触りがとても柔らかく、とろみがあるのが特徴。お風呂上がりもずっとしっとり感が続きます。
非電離成分・微量元素
強酸性泉の未解離硫酸、モール泉の過マンガン酸カリウム消費量、試験成績欄のヒ素・水銀などは 非電離成分と微量元素 を参照してください。
関連の読み物
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