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夜間温泉入浴と睡眠・血圧——最新研究のまとめ

効能に関する読み物 — 適応症・体調別の泉選び

2026年10月31日読了 6分
#適応症
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夜間温泉入浴と睡眠・血圧——最新研究のまとめ

「寝る前の入浴はよく眠れる」——体験として知っている人は多いでしょう。ストレス・不眠・自律神経の乱れに良い泉質で触れたリラックス効果に加え、夜の温泉入浴をそのまま対象にした研究が、別府を中心に続いています。血圧、睡眠の質、泉質の違い——三本の流れで見てみます。

別府を舞台にした大規模調査——血圧と夜間入浴

2024年、PLOS ONE に掲載された前向き研究では、別府市内14施設で 1,116人 の成人が、夜間入浴の 前後 の血圧を記録しました。入浴後は血圧が下がり、65歳以上 では若年より低下幅が大きいことが、中央値や回帰分析から示されています。高血圧の服薬、不整脈、うつ傾向、塩化物泉の利用も、低下幅と独立して関連しました。

別の発見として、65歳以上477人のうち474人(99.3%)が 紙のアンケート を選び、デジタル調査への参加には世代差があることも報告されています。

高齢の高血圧患者——睡眠と生活の質を追った研究

2025年、九州大学病院別府病院などの報告(Japanese Journal of Health and Research)では、65歳以上の高血圧患者28人が、1〜3日間の睡眠促進プログラム(夜間温泉入浴・運動・食事の教育)に参加し、1か月後・3か月後まで追跡されました。

3か月後には睡眠の質(PSQI)が 有意に改善。生活の質(SF-36)は1か月後、メンタルヘルス関連の指標は1か月後・3か月後に 有意な改善 が確認されています。温泉地の資源を活かした 薬に頼らない不眠対策 を探る取り組みとして、注目を集めています。

泉質は睡眠の質を変えるか——塩化物泉と人工炭酸泉

2023年、Journal of Physical Therapy Science に報告された試験では、健康な若い男性8人が、塩化物泉・人工二酸化炭素泉・普通の湯・入浴なしを、22時に40℃・15分の条件で比較しました(0時就寝)。

寝つくまでの時間 や 徐波睡眠の時間 に条件間の差はありませんでした。一方、入浴群では 最初の睡眠サイクルのδ波パワー(深い睡眠に関連する脳波)が増加し、人工炭酸泉で最も大きかった——という、次の研究へつながる段階の結果です。

入浴後の体の仕組み(簡略図)
皮膚からの放熱 ➔ 深部体温の低下 ➔ 入眠のしやすさ(一般的な睡眠生理学)

塩化物泉:塩分の「食塩ベール」で保温 ➔ 深部体温の推移が変わりうる
炭酸泉:血管拡張と血流 ➔ 末梢の放熱(DPG)が変わりうる

塩化物泉では就寝前の深部体温が比較的高く保たれ、人工炭酸泉では末梢と体幹の温度差や睡眠中の深部体温の推移が異なる 可能性 が示されました。入眠を促進したとまでは言えず、「同じ夜の入浴でも、泉質で 熱の逃げ方 が違うかもしれない」という読み方が近いです。

湯めぐりへの活かし方

宿泊型の温泉旅なら、就寝の 1〜2時間前 を目安に入浴するのも一つの楽しみ方です。紹介した試験では 40℃前後・10〜15分程度 が用いられています。就寝直前の高温・長時間は避け、湯上がり後に体を休めてから眠るようにしましょう。

冷え性・末梢循環障害に良い泉質と組み合わせれば、手足の温もりが持続しやすくなります。睡眠改善との相乗効果が臨床で確認されたわけではありませんが、泉質選びのヒントとしては自然な組み合わせです。

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